Smoc アミノ酸を使用したクリーン ペプチド テクノロジー (CPT)
合成ペプチドの製造には、化学、化粧品、医薬品業界で毎年数万トンの有機溶媒が必要とされています。欧州化学物質指令REACHによると、これらの溶剤は高懸念物質として分類され、その使用は健康や環境に対する重大なリスクを伴います。現代の規制規則に従い、DCM、DMF、NMP、THFのような「望ましくない」溶剤は、固相ペプチド合成法 (SPPS) の際に頻繁に推奨・使用されるため、交換する必要があります。また溶剤や試薬を大量に消費するため、製造コストが高くなります。
このように、固相ペプチド合成法 (SPPS) は、先進的で効率的なペプチド合成法であるにもかかわらず、大きな欠点がある。そのため、環境と人体へのリスクを低減できる溶媒を用いた代替法の開発が進められています。
ここでは、ドイツの Sulfotools によって開発された Smoc アミノ酸を使用したクリーン ペプチド テクノロジー (CPT) を紹介しています。ペプチド合成中に有機溶媒を水に置き換えます。
クリーンペプチドテクノロジー (CPT) は、水と親和性のある 2,7-disulfo-9-fluorenylmethoxycarbonyl (Smoc) アミノ酸の応用により、有機溶剤を使わずにペプチドを工業生産することができる、環境に優しく、コストも大幅に安いペプチドの製造方法です。N末端にSmoc基を持つアミノ酸は、高い水溶性と顕著な蛍光性を併せ持つため、リアルタイムにモニタリングすることが可能です。固体担体としては、水溶性樹脂を使用することができます。
Smoc基の切断は、水性ピペリジン、ピペラジン、水酸化ナトリウム、エタノールアミン、アンモニアを用いることで可能にし、それぞれのジスルホン化ジベンゾフルベンと水または塩基添加の生成物の形成とともに、常温で5~15分以内にN末端を遊離することが可能です。さらに、簡単な廃水処理、効率的な製品精製(前精製として使用可能)、反応進行のリアルタイムモニタリングのコンセプトもあり、最大50%の生産コスト削減につながります。
※ご注意 本動画の日本語訳は、ご参照用となります。正確な内容につきましては、音声の英語をご確認ください。
関連商品情報
掲載元:コスモ・バイオ株式会社