(vol.7 からの続き)
フローサイトメトリー トラブルシューティングガイド
フローサイトメトリー(FACS)実験で、遭遇する問題に関して、以下のガイドを原因の可能性と解決法のチェックリストとしてご利用ください。
蛍光強度が弱い、または蛍光シグナルが得られない。
原因 | 解決策 | |
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1 | 抗体が分解または期限切れである。 |
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2 | 蛍光色素の蛍光が衰えている。 |
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3 | 抗体濃度が検出限度以下である。 |
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4 | 標的抗原の発現が低すぎる。 |
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5 | 抗原-抗体結合が最適限界である。 |
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6 | 細胞内抗原に接近できない。 |
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7 | 細胞内抗原が分泌される。 |
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8 | 表面抗原が内部移行し始めている。 |
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9 | 染色細胞の蛍光がブリーチしている。 |
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10 | 低発現抗原がほの暗い蛍光色素と対を形成している。 |
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11 | 一次抗体と二次抗体との互換性がない。 |
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12 | レーザーとPMTセッティングが蛍光色素と互換性がないか、蛍光特異的チャネルに対してPMT電位が低すぎる。 |
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13 | 蛍光シグナルが補正を超えている。 |
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飽和または過剰な蛍光シグナル
原因 | 解決策 | |
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1 | 抗体濃度が高すぎる。 |
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2 | 細胞内染色の場合、未結合の抗体が細胞に捕捉されている。 |
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3 | 高発現抗体と明るい蛍光色素が組合せられている。 |
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4 | 蛍光特異的チャネルに対してPMT電位が高すぎる。 |
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5 | 蛍光シグナルが補正以下である。 |
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6 | 遮蔽が不十分 |
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バックグラウンドが高いまたは非特異的染色
原因 | 解決策 | |
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1 | 未結合の余剰な抗体がサンプルに存在する。 |
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2 | 非特異的細胞が標的されている。 |
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3 | 自家蛍光が高い。 |
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4 | 死細胞が存在。 |
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バックグラウンド散乱が高い、または異常な細胞散乱プロファイル
原因 | 解決策 | |
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1 | 細胞の可溶化または損傷 |
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2 | 細菌感染。 |
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3 | 散乱には不適切な機器設定。 |
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4 | 死細胞の存在。 |
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5 | 可溶化されていないRBCs(赤血球細胞)の存在。 |
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異常なイベント・レート
原因 | 解決策 | |
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1 | 細胞数が低いため、イベント・レートが低い。 |
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2 | サンプル凝集によりサンプルのイベント・レートが低い。 |
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3 | 機器設定が正しくない。 |
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4 | サンプルが注入チューブに詰まったため、事象が得られない。 |
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5 |
| 細胞培養を 1X106/mlに希釈する。 |
6 | フローセル内またはシースフィルターの空気のため、事象率が非常に高い。 |
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抗原決定基の損失
原因 | 解決策 | |
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1 | 過剰なパラフォルムアルデヒド |
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2 | サンプルを氷上保管しなかった。 |
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3 | サンプルを長時間固定した。 |
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情報公開日:2023年8月
掲載元:コスモ・バイオ株式会社
掲載元:コスモ・バイオ株式会社