コスモ・バイオでは、生命科学の進歩発展を担う若手研究者の支援を目的として、世界的な生物ロボットコンテスト(International Genetically Engineered Machine:iGEM) に参加される団体に、寄附金をご提供しています。
林﨑 諒巡
iGEM Waseda_Tokyo 2023年度幹事長
私はパリで開催されたiGEM Grand Jamboree 2022 に現地渡航で参加しました。Jamboree とはiGEM の決戦地・合成生物学の祭典で、世界中の学生が成果を報告し合いました。出身国にちなんだ衣装を着て参加するチームもあり、我々”iGEM Waseda_Tokyo” も日本らしく法被で参加しました。私がJamboree を経て体感したのは「(母語でない)英語を話す勇気の重要さ」と「世界中のアイデアベースな合成生物学の可能性」の2つです。
会場では、気になったチームに”What’s your project?” と質問し交流します。私は英語を母語とする環境に居たことがなかったため、Speaking に対して苦手意識を持っていました。しかし、コミュニケーションを重ねるなかで、英語が母語でない同じ境遇の人々が、決して上手ではないけれども、ハキハキと英語を話す姿に感銘を受けました。「日本人の私だって、カタカナ英語のような不慣れな発音でも、堂々と前を向いて話せば理解されるはずだ!」そういった自信をもつことができたJamboree は、とても有意義な体験になりました。
また、Jamboree には300 チーム以上が参加しました。それはつまり、2022 年度の間に300 以上もの合成生物学による社会問題解決プロジェクトが生まれたといえます。その多くは、実験は成功しているがまだ実装できていない、ないしは何らかの理由で成功しなかったものです。しかし、その多くがユニークでアイデア自体に価値があるものでした。300 チームが一同に会し、こうしたプロジェクトについて議論を交わした熱狂的な3 日間は、とても密度が濃く貴重な体験です。そんなJamboree に参加し、早稲田大学のCell-Freedom を発表できたことは光栄でした。
掲載元:Lab First Vol.2